ミントはり灸院・「鍼灸治療が効果なし」と言われる理由は？鍼灸院選びに失敗しない秘訣

整体にいっても、マッサージにいっても効果がなし・・・痛いのは続く。
薬はできるけ使いたくないし、病院にいっても湿布しか出ない。

「怖い」「何されるかわからない」でも効果があるなら鍼灸に行くかと意を決して予約した鍼灸院。

鍼灸治療を受けてみたけど、期待したほど効果を感じなかった、むしろ変化なし。
「なんだ、鍼灸って言われているほど効果ないんだ」

と感じて鍼灸治療から離れるひとは少なくありません。

まだ担当者との相性や他の治療法に期待して鍼灸院を探してくれる人がいるだけでもありがたいです。

でもGoogleの検索で関連ワードには「効果がない」というのが出てくることから、多くの人が同じような経験をしているのだろうと思います。

ただ効果があった人は「効果がある」と検索することはないので、どうしても検索数に偏ってしまうのは事実ですが・・・

体を変化させる療法は全て必ずと言っていいほど個人差があります。

何重もの効果検証をおこなった薬でさえも個人差があるわけです。高い薬であっても効果を感じない人がいるわけですね。

なぜそういった事が起きるのか？そしてできるだけ効果を感じないを防ぐためにどんなことをすればよいのか？を業界歴10年を超える現役鍼灸師が解説します。

「鍼灸は効果なし」は本当なのか？

効果という言葉が解答を難しくしています。
一般の人から質問されると「ぐぬぬ」となってしまうかもしれません。

「効果」とは、一つの行為や手段がもたらす結果や変化を指しますが、実はその多くは受ける人自身の実感に基づいています。
なので効果はあるのか？という答えに足しては「あなた」が影響するからです。

効果の前に起きることは何かというと「変化」になります。

鍼灸は体を変化させることはできるのか？という質問に対しては明確にYesと答えることができます。

鍼灸治療を受けて発生する生理的な作用というのは証明されています。多数の研究論文が出ていてその証拠もたくさんあります。そこはマッサージや整体などに比べても、研究の歴史が圧倒的に長く、それだけ多数の証拠が集まっており、解明されていることもたくさんあります。

病院などの医療なども一つ一つの行為について、証拠いわゆるエビデンスがそろっているので、体の変化を確実に起こすことが証明されています。

薬や手術などのは強烈な変化を起こすことができます、だからこそ副作用もあるわけです。体に与えるインパクトが大きいほど、メリットとデメリットは相関します。

鍼灸の場合はどうかというと小さな変化を積み重ねていくことしかできませんが、その分副作用も小さくなります。

この小さな変化が受ける人にとって効果を感じてもらうほどの実感になるのか？というのが鍼灸師の腕の見せ所でもあります。

鍼治療は効果ないと言われる理由

鍼灸は小さな変化を確実に起こすことができます。
ただ、その小さな変化は受ける人のちょっとしたバイアス（先入観、認識の歪み、偏見）などによって、効果を感じなくなってしまいます。

これは鍼灸だけでなく、薬などにおいても同様のことがあります。
なので、これから紹介する以下の理由は体を変化を目的とする施術全てにおいて言えることです。

理由①：1回で治らなかった

鍼灸に対する期待が大きい場合です。
期待してくれることは嬉しいのですが、期待値が高すぎると小さな変化を見つけることができなくなります。
またちょっとした変化に対しても、期待したほどではないと感じてしまいます。

世の中はタイパ、コスパの時代なのでより短時間での効果、いわゆる即効性を求めます。そこに鍼灸治療は苦手としているのも苦しいところです。

どこで1回で治ったとその人が思ったのか？ということですがそれは口コミや感想などを見てそう判断したのだと思います。

確かにそういう人もいますが、症状が回数を決めるのではなく状態が回数を決めますので同じ症状でも状態が軽い人は1回で劇的な効果を出す場合があります。

何においても個人差があるということを理解したうえで治療を受けるとよいかと思います。

理由②：鍼灸は東洋医学だからエビデンスがない

鍼灸は東洋医学に分類されますが、エビデンスがないというのは間違っています。

鍼灸が科学的な知見で研究されていることを知らないというのが理由なんだと思います。

実際に多くの鍼灸の資格を持っている人も科学的に研究されていることを知らない人はたくさんいます。

鍼灸＝東洋医学＝謎の医療という図式から鍼灸治療に対して疑問を持っている人は少なくないのだと思います。

一方で姿勢が不調の原因だ！とする考え方についてはどうでしょうか？信じる人は多いですよね。

ただ、こちらのほうが研究されていませんし証明もされていなければ、証拠もありません。

理屈や実感としてわかりやすいところから、雑誌やメディアに紹介されている回数が圧倒的に多いので「効果がある」と認識されやすいのでないでしょうか。

理由③：効果の説明ができない

鍼灸師が鍼灸治療の効果を正しく説明できないことも原因の一つです。

効果が出ることもあれば出ないことがありますが、それを理屈をもって、体の仕組みにそって説明できないと受けた人は納得できません。

体の変化に対して「気が通ってきた」「気が滞っている」と説明を受けて、スムーズに理解できる人は少ないのではないでしょうか？

鍼灸師は「気」を理解できるから鍼灸師になった人が多いので、説明している本人は納得できています。ここに聞き手との認識の差が大きくなっており、その差が胡散臭さの原因となります。

鍼灸でおきた変化を説明できないので、受けた人の認識に左右されてしまい結果として鍼灸治療の効果だと信じてもらえなくなるわけです。

理由④：職業としての信頼性

鍼灸師は国家資格を持つ医療系専門職ですが、多くの人にその事実が十分に知られていません。特に「鍼灸は誰でも施術できる」という誤解が一部で残っていて、施術者の技術や知識に疑問を抱く人もいます。

西洋医学に基づいた治療法とは異なる「代替医療」として位置付けられることが多くあります。このため、一部の人々に「科学的でない」「医療として信頼できない」というイメージを与えてしまうことがあります。実際にお医者さんでもこのような認識を持っている人がほとんどです。

これら全ての原因は鍼灸に関する正確な情報発信が不足しているからです。業界団体などが頑張って発信しつづけており、最近では定期的にNHKに紹介されるようになりました。病院との連携や病院内鍼灸師の活躍もあり少しずつではありますが信頼性が高まってきつつあります。

ただ、まだまだ道半ばということころです。

鍼治療が効果ない人はいる？

鍼灸治療の効果に関して科学的な証拠があるということは大多数の人に効果があることを証明していますが、ただ全ての人が効果を感じるかというとそうではありません。

小さい変化しか起こすことしかできない鍼灸治療において効果は受け手に依存する部分があります。

なので、疑心暗鬼になっている人は効果を実感することは難しいと思います。

我々は治療の中で施術だけでなく、接客、説明など患者さんが疑問に感じるところや不安に感じるところをなくしていくように努力して、すこしでも鍼の効果を感じやすい関係性づくりを心がけています。

ただ、一方通行ではあまり意味がありませんので、患者さんと一緒になって治療を作っていく。それが鍼灸治療のもっとも大事なことなのかもしれません。

失敗しない鍼灸院選びのポイント

どんなに技術があっても、治療を受ける土壌づくりが大事であることを説明してきました。
ということは鍼灸院選びにおいても、この関係性作りを意識しているところが、効果を感じにくいなどの失敗を防ぐことができるポイントになります。

ポイント①：電話対応が丁寧

予約時に電話対応が丁寧かどうかで判断しましょう。
質問や疑問点に対してどのような態度で返事をしているかが大切です。
話すのが上手ではない場合もあるかもしれませんが、一生懸命応えようとしてくれているかを見極めると良いでしょう。

ポイント②：HPの情報は十分

HPの情報は十分にあるかを確認しましょう。
古い情報のままであったり、口コミやブログ、SNSが更新されていなかったりすると気の知れた患者さんだけに治療をしている場合があります。

ポイント③：口コミの内容

口コミに書かれている内容からも患者さんとの関係性が判断できます。
内容が詳細ではなかったり、文字数も少ない場合はそれだけ患者さんとのコミニュケーション量が少ないのかもしれません。

ポイント④：実際に受けてみる

これがもっともわかりやすい方法です。
良い鍼灸師は自分との相性だと思います。実際に会ってみて、話してみて、自分との感覚に会う先生と出会うことが大切です。
一度見つかれば長いお付き合いになりますので、いろいろと受けてみることは長期的には効率の良い方法だと思います。

まとめ

今回は鍼灸治療の効果について解説しました。

体の変化を起こすという意味では鍼灸は非常に有効です。

ただ、効果については鍼灸師の施術力だけでなく患者さんとの信頼関係を築くことがポイントになってきます。

小さな変化を気づいてもらうにはお互いの協調が必要だからです。

せっかく鍼灸を受けてみようと思ったのなら、自分との相性の良い、技術力のある先生と出会ってください。
きっとしっかりと効果を感じることができ、鍼灸を受けてよかった、先生に出会ってよかったと思うときが来ます。

あなたの鍼灸院、鍼灸師と出会う旅を応援しています。