ミントはり灸院・鍼治療で血が出ないのはなぜ?

2023年9月12日

鍼治療で血が出ないのはなぜ?

カテゴリ: 初めての鍼灸

鍼治療では血は出ない!

 

治療に付き添いで来られる患者さんのお子さんから、たまにこんな質問を受けます。

 

「鍼を刺して痛くないの?」「どうして血が出ないの?」と。

 

子供からすると針を刺す=注射のイメージが強いのだと思います。

 

でもなぜ鍼治療では血が出ないのでしょうか。

 

それは鍼の細さに理由があります。

 

鍼治療で用いられる鍼は大体直径0.1mmから太くても0.3mmほどです。

当院では直径0.16mmの鍼を主に使用しています。

 

日本人の髪の毛は大体0.07mmから0.1mmと言われているので、鍼と髪の毛の細さは同じくらいだと言えます。

 

ちなみに注射針は注射の種類にもよるのですが、大体0.4mmから0.9mmが用いられています。

 

血液検査の静脈血採血針は0.7〜0.8mm、そしてもっと言えば献血の針の方が太く、こちらは1.2mmくらいになります。

 

そう考えると鍼治療の鍼がいかに細いかが分かりますよね。

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

>プロフィール詳細はこちら

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

注射針で血が出るのはなぜ?

 

採血は静脈に針を刺して血を抜いているので、血が出てくるのは当たり前です。

 

ではなぜ注射でも血が出るのでしょうか。

それは皮膚の小さな毛細血管から血が漏れ出て、皮膚の下に内出血や血の塊が出来てしまうことが原因です。

 

先ほど針の細さについて説明しましたが、鍼治療で用いられる鍼はかなり細いので血管が傷つきにくくなっています。

 

また、鍼の先端の形にも理由があります。

 

注射の針は、血管まで針が入りやすくなるよう先端が刃物のように尖っています。

 

一方で鍼治療の鍼は皮膚や筋肉に優しくアプローチするのが目的なので、出来るだけ身体に寄り添うよう先端が丸くなっています。

 

完全に無痛と言い切れないのですが、鍼治療に痛みが少ないのもこれらが理由です。

 

(ちなみに鍼治療の鍼は日々痛くないよう進化しているので、この先さらに痛みを感じにくくなるかもしれません。)

 

ごくごく稀に血管に当たって血が出ることもあるのですが、とても細い上に先端の形状がゆるやかなので血が止まらなくなることはありません。

 

そしてリスクとして初回の治療で説明しますが、内出血が起こることはあります。

特に不調箇所に出来ることはありますが、こちらもしばらくすると元通りになります。

 

鍼治療で動脈や神経が傷つけられることはないの?

 

動脈が傷つくと噴き出すような血が出ます。

 

医療ドラマの手術シーンでしかあまり見かけない光景です。

 

動脈というのはとても硬いので、メスほどの鋭利な物でしか切れません。

 

少なくとも鍼治療で用いられるような細くて柔らかい鍼で傷つくことはありえないのでご安心ください。

 

反対に静脈は柔らかいので、自然と鍼先を避けてくれます。

 

神経についてもよく心配されるのですが、鍼治療の鍼は細くて先端が丸いので静脈と同じように神経も避けるように入っていきます。

 

ところで、何年か前にプロ野球選手が「トレーナーによる鍼治療で長胸神経麻痺を起こした」とニュースになりました。

 

詳細が分からないので何とも言えないのですが、長胸神経に鍼をするのもあまり一般的ではないですし、髪の毛ほどの細い鍼で傷つくことは考えづらいです。

 

何か別の要因があったのでしょうか…。

 

神経というのは目に見えないので不安に思われるかもしれません。

 

神経を傷つけることはありませんが、自律神経失調症や顔面麻痺神経でお悩みの方を治療することは得意としています。

 

そういった症状があれば、ぜひご相談ください。

 

わざと血を出す治療法がある?

 

当院では行っていないのですが、鍼灸院の中には「刺絡」(しらく)と呼ばれる治療法を用いている治療院もあります。

 

「刺絡」とは専用の鍼で小さな傷をつけ、わざと血を抜いていく治療法です。

この血は東洋医学でいう「瘀血」(おけつ)と呼ばれ、身体の中の悪い血、滞った血であり、これを抜くことで身体の中の巡りが良くなると考えられています。

 

東洋やインド、地中海のあたりでも古くから用いられてきたそうです。

 

血が出るほどの傷をつけるので、痛みは伴います。

 

そして血を効果的に出すために「吸い玉」(カッピング)という、よくアスリートが利用している民間療法と合わせて行うことも多いですね。

 

刺絡は鍼灸師の資格が必要ですが、吸い玉自体は免許が必要ないので最近はエステサロンでもよくメニューに取り入れられています。

 

このように、同じ鍼灸院でもたくさんの治療法や道具、考え方があります。

 

大切なのは自分が心地いいと感じられる治療法

 

中国鍼のように強い刺激が好きな人もいれば、先ほどの刺絡だったり、ハリネズミ 美容鍼のように大量の鍼を刺されるのが好きな人もいます。

 

当院で行っている「反応点治療」のような、優しい刺激の治療が好きな人もいます。

 

どれが悪くてどれがいいというのは、それぞれの考え方によります。

 

大切なのは自分にとって心地よいと感じられることです。

そして効果を感じ、症状が改善されていくことがベストです。

 

ぜひ自分に合った治療院が見つかるといいですね。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。