ミントはり灸院・がん治療後の後遺症や不定愁訴に鍼灸は効果あるのか?

2024年6月7日

がん治療後の後遺症や不定愁訴に鍼灸は効果あるのか?

カテゴリ: 痛み

結論から言うと「ぜひ鍼灸を活用してください!」となります。
論文としても事例が出ていますし、その事例に基づいて専門病院では鍼灸師と連携して退院後のサポートをしている所もあります。

術後の回復はよりよい生活を送るだけでなく、元の生活に早く戻ることで自信を取り戻し精神的な充実感をもたらすことができます。

癌になったら仕事を変えないといけない、これまでと同じ生活を送れない、というのは昔の話です。がんサバイバーとなってからどうやって人生を楽しむことができるか。

そのベースにあるのは「元気であること」です。
病気に全てを左右されない生活を送るためにも積極的なアプローチをおすすめしています。

長く険しい道のりかもしれませんが、鍼灸で少しで楽に進んでいけるようにしましょう。

がん治療後の不定愁訴と生活

がん治療後の不定愁訴や術後の痛みなどはその時の治療法や内容などによって変わります。
個人によっても変わるので、その対応が難しくなります。

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

がん治療後の患者が経験する後遺症や不定愁訴の概要

1. 疲労感や倦怠感
がん治療後に最も一般的に報告される症状の一つが疲労感です。これは単なる疲れとは異なり、休息を取っても改善しない深刻な倦怠感を伴います。放射線療法、化学療法、手術などの治療によって体へのダメージや長期間の入院による体力低下などが極度の疲労状態を作り出します。

2. 痛み
がんそのものや治療の結果として慢性的な痛みが生じることがあります。多いのが術後の縫合痛です。また精神的なストレスによって痛みの感度が高まりちょっとした疲労で痛みやコリを感じる事があります。

3. 神経障害
化学療法や放射線療法によって神経が損傷されることがあり、手足のしびれや味覚障害、耳鳴りなどの感覚異常が生じます。これを「化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)」と呼び、細かい作業や歩行が困難になるなど、精神的にも負担になり、生活の質に大きな影響を及ぼします。

4. 消化器症状
がん治療後、多くの患者が吐き気や嘔吐、食欲不振、便秘や下痢といった消化器系の問題に悩まされます。これらの症状は治療中に始まり、治療後も続くことが多いです。これにより、栄養不良や体重減少が起こり、さらに身体の回復を遅らせる原因となります。

5. 精神的な不調
がんとその治療がもたらすストレスや不安、うつ状態も大きな問題です。治療中の不安や恐怖、治療後の再発の恐れなど、精神的な負担は計り知れません。これらの精神的な不調は、身体的な症状を悪化させることもあります。

6. 免疫機能の低下
治療によって免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなることもあります。これにより、日常生活での注意が必要となり、患者の活動範囲が制限されることがあります。

7. 睡眠障害
がん治療後、睡眠障害に悩まされる患者も多くいます。痛みや不安、薬の副作用などが原因で、十分な睡眠が取れず、慢性的な疲労感を助長します。

8. ホルモンバランスの乱れ
特に乳がんや前立腺がんの治療では、ホルモン療法が行われることがあります。これにより、ホルモンバランスが崩れ、骨密度の低下や更年期障害に似た症状が現れることがあります。

これらの症状が生活の質に与える影響

術後の不調は短期的には理解されても、長期になると理解されずらいこともあります。そういった周りの認識との差がもっとも生活の質に影響を与えます。

・社会的活動の制限:
身体的な不調や痛み、精神的な不調により、社会活動や職場復帰が困難になります。復帰をしても以前ほど働けなくなったり、休みがちになることもあります。こういった積み重ねが自己肯定感を下げてしまったり経済的な不安や孤立感が増します。

・家庭生活への影響:
家庭内での役割を十分に果たせなくなることが多く、家族との関係にも影響を及ぼします。家族への依存が増し、家族全体に心理的な負担がかかることがあります。

・日常生活の制約:
日常生活の基本的な動作が困難になることで、外出や買い物、趣味の活動などが制限されます。これにより、生活の楽しみや充実感が失われます。

・治療費の負担:
がん治療後の不定愁訴が長期化すれば継続的な医療費がかかることも想定されます。経済的な負担や時間的な負担が大きくなります。

・介護の必要性:
自立が難しくなった場合、介護が必要となり、その費用や家族の負担が増加します。これにより、家庭の経済的・心理的負担が増し、全体的な生活の質が低下します。

鍼灸の基本

がん程の大きな病気を経験すると自分の体にとても敏感になると思います。
鍼灸治療を受けてもよいのか?
施術を受ける事で逆効果はないのか?
鍼の刺激ががん再発のリスクを高めないのか?
などなど。

他にもがんのことを詳しい鍼灸師なのか?
担当医は許してくれるのか?

特にがん治療後に患者さんに対して、家族はとても心配します。
効果があると分かっていても、病院以外の施術に対して不信感を持つ人も少なくなく。精神的に弱っている状況を利用して「騙されているのでは?」と疑いを持つ人がいます。

ここでは鍼灸の効果を書いていきます。
「気」といった見えないものではなく西洋医学をベースとしてどのような効果があるのか判明されている内容です。

鍼灸が体に与える影響

鍼灸は皮膚への刺激を与えることで体の反応を使って治療効果を実現しています。

人間には反射という生理的な反応があって、皮膚にも反射があります。
それは血流を良くしたり、内臓機能を高めたり、筋肉の緊張を緩めたり。
こういった反射があることは証明されている確かな現象です。

反射を起こすのはそれほど強い刺激は必要ありません、痛みを全く感じなくても体は反射を起こすようになっているからです。

どこでも鍼をすればよいかというと、特定の場所のほうがより効果が高くなります。
いわゆる「ツボ」になりますが、この「ツボ」その人の体の特徴や不調の場所によって変わるので個々によって「ツボ」が変わります。

病院で行われている鍼灸は「ツボ」を固定化して処方箋のような選び方をします。
それでも効果がありますが、より効率的により個人に特化した治療を受けるなら鍼灸院のほうがおすすめとなります。

鍼灸の安全性

鍼灸治療は皮膚の浅い所の刺激を与えることで効果を出すのでとても安全です。
衛生面についても鍼は使い捨てですし、髪の毛よりも細い針なので、鍼の跡から感染をすることもなく、さらに消毒も行います。

病院で行われる鍼灸と鍼灸院で行われる鍼灸にそれほどの衛生面での違いはなく、入院している方であればそのままベッドサイドで受ける事もあるからです。

お灸を使うのは鍼灸だけの場合もあります、お灸は火傷のリスクがあるので注意が必要ですが近年のお灸は低温タイプが主流になっているので火傷の可能性も非常に低くなっています。

こういった施術としての安全性は確保されていますが、最終的には鍼灸師個人のスキルが最も影響が強くなります。

そこは口コミであったり、発信している内容であったりなど総合的に判断されるのをおすすめしています。

鍼灸師がおすすめする方法としてはまずは「肩こり」で治療を受けてみることです。

その時の施術の内容や消毒などの判断ができるます。
さらに施術中に自分の病気の話をしたときの反応で詳しいかそうでないかもわかります。

もし不安があるなら、試しで受けてみて、鍼灸師のスキルの度量を判断してみましょう。

ちなみに年配の鍼灸師だから安全というわけではありません。
衛生面では最近教育を受けた鍼灸師のほうがちゃんと理解している場合もあります。
経験年数だけでは判断すると嫌な思いをするので注意してください。

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鍼灸が後遺症や不定愁訴に効果的な理由

鍼灸の基本的な考えを理解した上でじっさいにがん治療後の不定愁訴や後遺症に鍼灸だと効果がある理由を解説します。

血行促進と自律神経の調整

鍼灸の効果に患部の血流改善や自律神経の乱れを緩和する効果があります。

これらは不定愁訴や後遺症である「疲労・倦怠感」の改善に効果を出すことができます。

疲労感の原因はまず筋肉緊張です。
全身の筋肉が緊張していると何気ない動作をするだけでも重たさを感じる事があります。
例えば腰の筋肉が緊張していると肩が上げづらいと感じる事もあります。

こういった緊張を取り除くことが体の動きを軽くすることができます。

自律神経の乱れを改善することは睡眠の質を高めることができます。

睡眠は質は術後の体力回復や内臓機能や精神機能の改善などさまざまな効果があります。
ただ、疲労が強かったり、精神的なストレスが大きいと自力で眠りを作れなくなってしまうこともあります。

薬の力を使って眠ることはできますが、どうしても質を高めるには自然な眠りが必要です。

そういう自然な眠りを手助けできるのも鍼灸の自律神経を安定化する効果があるからです。

痛みの軽減と炎症の抑制

手術の縫合による痛みや化学療法誘発性末梢神経障害にも鍼灸治療で効果を出すことができます。

痛みの入力が常に患部から起きているわけですが、患部全体の組織に鍼による別の痛みの入力をすることで末梢神経への痛みの感受性を下げる作用を引き出すことができます。

また鍼が作り出す痛みは脳への刺激にもなり、脳に存在する痛みの感受性をコントロールする場所にも効果出すことができ、痛みだけでなくしびれなどの不快感などが感じにくくなります。

他にも投薬な入院による内臓の不調や精神的なストレスも筋肉の緊張を高めることがあります。こういう機序による痛みは医療ではあまり重視されていません。基本的には炎症による痛み止めを出すからです。

病院からの痛み止め等が効かない場合でも鍼灸なら痛みを改善できる可能性があります。だからこそ医療との連携が行われているわけです。

ストレス軽減とリラクゼーション効果

心理的なアプローチも鍼灸治療なら実現できます。
鍼灸師は心理士ではないので、専門的な心理的なアプローチができるわけではありません。
鍼による全身への刺激はその方の思考を体性感覚へと意識させることができます。
いわゆる没入感を作り出すわけですが、この間はネガティブな思考であったり、将来の不安など、反芻している状況を一時的に止めることができます。

わずは数十分でもこういった時間があることで脳は回復することができストレス軽減になります。

また病院に比べると施術時間がゆっくりしているので、何気ない不安な事日常のことを話すだけでも効果があります。私たちは心理のプロではありませんが、一般の人よりは医療的な傾聴を訓練しているので、心地よく話を続けることができます。

リラクゼーション効果は上記のような状況だけでなく、お灸の香、音楽、照明など全身で感じるさまざまな刺激をもって心地よさを作ることを大事にしています。どうしても病院は無機質な感覚がありますが、鍼灸院や鍼灸師の雰囲気も心を癒す効果があると言えます。

実際の治療例

実際に当院に来院された事例を紹介します。

副作用による浮腫み

消化器の癌が見つかって手術と抗がん剤による治療をした後に下半身全体の浮腫みが強く出てしまったケースです。
むくみがあることでベッドから動くことができず、足も気持ち悪いので、睡眠の質も低下していました。意欲の減退も見られ、日中もぼーっとする時間が増えていた時にご家族からの紹介で通院となりました。

きっかけは不明ですが膀胱の調子が悪くなっているサインがでていたので、鍼とお灸をして、セルフケアとしてローラー鍼による足のマッサージをお願いしたところ。
排尿の回数が増えて、むくみがどんどん改善しました。
3回目くらいでは患者さん本人も色々と話しをしてくれたり、食欲が回復したりととても喜んでくれました。

開腹手術後の痛み

子宮に癌が見つかって下腹部の手術跡に痺れや違和感が残ったケースです。
傷跡の回復が終わるまでは内臓のとくに肝臓の機能を高めました。
これは炎症の発生を抑える働きがあるので、慢性痛などを防ぐ効果があります。

傷跡の周りの皮膚にはお灸をしました。
縫合によって皮膚のひきつれによる歪みで違和感を無くすためです。

そして最後は脳の興奮を抑えるために自律神経の興奮を抑える施術。
痛みは恐怖感や不安感で増幅されるため、脳の興奮を抑えることで敏感になりすぎている状態を正常なレベルまで引き下げます。

施術後から夜は眠れるようになり、痛み止めの服用も徐々に減り、手術跡を気にすることなくいつもの生活に戻りました。

抗がん剤によるしゃっくり

抗がん剤治療、放射線治療によって神経細胞が傷ついてしゃっくりが止まらなくなったケースです。
病院での治療も薬を出す以外なくそれもあまり効果がありませんでした。
こういった神経の障害の症状(味覚障害など)に対しても効果がでる場合があります。

完全に神経が死滅していれば難しいですが、わずかでも残っている場合は鍼灸による刺激によって神経の活動を高めることできます。

効率よく神経が使われることでしゃっくりの回数が減ってきて、少し残りましたが夜もぐっすり眠れるまで回復しました。

鍼灸治療を受ける際の注意点

がん治療後の不定愁訴の治療を受けるのに注意点があります。
鍼灸治療そのものは安全性が高いのですが、もしもの事態に備えておきましょう。

担当医に確認

退院後などの不定愁訴や痛みなどは担当医も知っており、できるだけ早く解決してほしいと思っています。
だからこそ、鍼灸治療を受けに行くことを伝えておきましょう。

そこで、鍼灸を受けないほうが良い時の体調や担当する鍼灸師に伝えておきたいことを確認しておくと良いでしょう。

がんサバイバーの難しいの体調が急変する事です。

その時にどうすれば良いのかを事前に担当する鍼灸師に伝えておくことで緊急時の対応も速やかに対応してくれます。

出来ないという返事があった場合はその鍼灸師から施術を受ける事を考え直したほうが良いと思います。

また、施術経過なども定期的に担当医に報告を求められる場合があるのでそのことも事前に伝えておきましょう。

家族に相談

鍼灸治療を受ける事を家族に相談しておきましょう。

特にどの症状や困っていることに対して鍼灸治療を受けたいのかを先に伝えておくことで家族からの反対を回避することができます。

また行こうと思っている鍼灸院の情報なども共有しておくことをおすすめします。

担当鍼灸師との情報共有

我々は患者さんのことを丁寧に観察しています。

さらに患者が感じていることを教えてくれると施術を調整しやすくなります。

できれば日記をつけるようにして不定愁訴の状態を伝えることで調整もしやすくなりますのでおすすめしています。

まとめ~がんと鍼灸~

生活の質を高めることは再発を防ぐ

健康とは、運動して食べて寝て、そして社会に貢献する。

こういった活動が出来て、自分の体に自信を持ち、精神的にも充実する毎日が送ることができます。

がん細胞は常に我々の体の中に新たに生まれてはNK細胞などによって駆除されるのを繰り返しています。
NK細胞は健康的な毎日、充実した毎日を送ることで活性化されます。

ということは、不定愁訴で悩む日を少しでも少なくすることが日々が楽になるだけでなく再発予防にも関わっていると言えます。

もう二度と同じようなストレスを感じたくないと思います。それはあなたの周りの人も同じです。

1日も早く笑顔で当たり前の日常を過ごすためにも、鍼灸治療を活用してみて下さい。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。