ミントはり灸院・巨髎のツボが痛い！痛みの原因とは？

youtubeで紹介されている小顔になるマッサージにはさまざまな方法を紹介していますが、動きを見るとツボの巨髎あたりを刺激していることが多いです。
動画の中には割と強く押すことを紹介しています。
中には痛みがでることでむくみや老廃物が溜まっていると表現されているようですが、それは本当でしょうか？

鍼灸師の視点で巨髎のツボがどんな意味があって、押すと痛みがあることが何を体が伝えようとしているかを解説します。

巨髎とは？

まず巨髎のツボについて基礎的な解説をします。

巨髎は、顔から足にむかって連なっている経穴の流れにに属する経穴（ツボ）です。顔面部に位置しています。

具体的には、頬骨の下方にある大きなくぼみの部分にあり、瞳孔線上で鼻翼下縁（小鼻）と同じ高さにあります。このツボの解剖学的な特徴として頬骨の下にある陥凹があります。ツボのゆらいも、大きいくぼみがあるという意味であろうと思われます。

ツボの下には

筋肉: 小頬骨筋
神経: 上顎神経
血管: 眼窩下動脈

があります。

当院では主に鼻詰まりや三叉神経痛、顔面神経麻痺に使います。

顔にあるツボ「巨髎」

当院の他のブログでも紹介していますが、小頬骨筋を刺激することできるので美容目的でも選ばれるツボです。

なぜなら小頬骨筋は上唇を上外側に引き上げる働きを持っています。小頬骨筋は自然な笑顔を作り口元の印象を大きく左右します。

巨髎のツボは骨のくぼみがあるので指で刺激をした時に圧が加えやすいというのもあります。

なので、効率的に美容の効果を高めることができるツボなのでよく使われているわけです。

巨髎の持つ効果

筋肉を刺激することで、筋肉本来の働きを取り戻すことができます。さらに圧迫をして動かすことで通常よりも負荷が高まり筋トレ効果を出すこともできます。

血管への刺激も一時的な血圧の上昇を起こしますし、ツボ刺激によって小頬骨筋が動くことで周囲の血流が改善され、リンパの還流が促され、むくみが改善します。

リンパ液の成分の多くは老廃物なのでリンパの流れが悪くなることで肌トラブルや肌の色合いなどに影響しますので、小頬骨筋への刺激は口周りの肌トラブルを改善するわけです。

唇の周りだけニキビができやすい、むくみやすいという場合は巨髎への刺激が有効となります。

巨髎のツボが痛い原因

巨髎のツボが痛いことは老廃物が溜まっているから？という解説がされていますが、そのようなことはありません。

老廃物であっても主には水分なので流れていくだけです。

痛みの原因は主に2つです。

1つ目は骨と筋肉の板挟み状態だからです。窪みがあるということはそれだけ押したときの力が集中します。どんな場所であっても、筋肉に過剰な圧がかかると痛みがでます。
巨髎という場所がそれが起きやすい場所なので痛みがでます。

2つ目は筋肉の緊張です。仕事等で口角を上げている時間が長い場合や普段は口角は上げていないけれど何かのイベントで口角をいつもより上げていた場合は筋肉の疲労が蓄積して筋緊張を起こします。

その場合は筋肉がそもそも硬くなってしまっているので、すこし圧を加えるだけで痛みを感じやすくなります。肩こりが酷くてマッサージされると痛いと感じることがありますがそれと同じ原理です。

神経が圧迫されることの痛みと説明する場合もありますが神経は受容器があるところへの刺激にのみ感作されるので巨髎だからといって強く感じることは考えにくいです。

なので、痛いから悪い、溜まっている、むくんでいるということはありませんので安心してください。

結論から言うと多くの人が痛い場所です。

これは私の個人的な意見ですが、ビジネストーク的に「ここを押すと痛いでしょ、ほらね」「だからむくんでいるんですよ」って言いやすいというのもあるのかもしれません。

巨髎の正しいツボ押し方法

くぼみがあるとそこに向かって刺激が集中してしまいますが痛みがでるほど押す必要はありません。

あまり強くしすぎることで筋肉を損傷してしまう可能性があるからです。

痛いから効果があるとは思わないで、刺激を与えてください。

通常であれば指先で押すと思いますが、それを指全体を使って口の形に合わせるように指をおいて全体を均一に刺激を与えてみてください。

痛みもなく心地よい刺激になると思います。

まとめ

今回は巨髎のツボが痛いことを解説しました。

痛くなるのは当たり前の場所ですが、顔のむくみや表情を作るうえで効果的なツボでもあります。

痛いから悪い、より痛くする必要があると思わずに軽い刺激で十分に効果が出ます。

痛みがない方が普段のセルフケアの選択肢になりやすく、継続的なケアがしやすくなります。

お風呂後の保湿とセットにして試してみてください。