2020年4月12日
顔面神経麻痺はストレスが原因か?
カテゴリ: 顔面神経麻痺
今回は、顔面神経麻痺になってしまった方に向けて、顔面神経麻痺の原因について解説します。顔面神経麻痺の原因は一般的にストレスと思われていますが、本当の原因は、実は思わぬところにあるのです。
この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
顔面神経麻痺はストレスが原因ではありません
顔面神経麻痺の原因は、強いストレスだと思っている方も多いのではないでしょうか?確かに、顔面神経麻痺は、精神的ストレス・過労が引き金となって起こることがあります。
ただし、精神的ストレスや過労そのものが、顔面神経麻痺を引き起こすわけではありません。これらはあくまで間接的な原因に過ぎず、顔面神経の炎症を起こす直接的な原因は、もっと別のところにあります。
誰でも程度の差こそあれ、ストレスを感じながら生きています。悪いことが起こったときだけでなく、嬉しいことが起こったときでも、人によっては大きなストレスを感じることがあります。
社会的なストレスは誰にでもあるもので、決して特別なものではありません。ですから、どんなに負荷がかかっていても、しっかり睡眠さえ取れていれば基本的に問題なく、体に不調をきたすことはありません。
本当の原因は鼻や耳、咽の炎症
では、顔面神経麻痺を引き起こす直接の原因は何だと思いますか?
実は、顔面神経麻痺の本当の原因は鼻や耳、咽の炎症です。咽や鼻、耳に何らかの炎症が起こっていて、それが顔面神経にまで広がって起こるのが顔面神経麻痺なのです。
鼻・耳・咽に起こる炎症としては、鼻炎や副鼻腔炎、外耳道炎や中耳炎、扁桃炎や咽頭炎などがあります。これらは風邪をひいたときに多く起こるものです。
こうした鼻・耳・咽の炎症は、炎症の拡大というかたちで、顔面の神経にも直接悪い影響を及ぼします。また、慢性炎症でも、局所の循環低下や免疫の低下を起こすため、それが顔面神経の感染になることもあります。
このように、顔に近い部分にまず局所的な炎症が起こって、それが治らないうちに、より大きな神経である顔面神経にも炎症が広がっていったものが顔面神経麻痺なのです。
炎症が広がるということは免疫力が低下
鼻・耳・咽の炎症から顔面神経へと炎症が広がるのは、体の全体の免疫力が低下しているサイン。日頃の疲れが蓄積していて、体に悪影響を及ぼしていると考えられます。これをストレスと考えるなら、ストレスによって顔面神経麻痺が起こるということもできるでしょう。
まず、ストレスで免疫力が下がり、風邪を引くなどして鼻・耳・咽に炎症が起こります。ここで体力が回復すれば何ら問題ありません。しかし、そのまま体力が回復せず免疫力が低下しづけると、炎症範囲がどんどん広がって、顔面神経麻痺につながる危険性が出てきます。
顔面神経麻痺になってしまうと、日常生活に大きな支障をきたすことも。ですから、こうなる前に、体調がよくないことに自分で気がつかなければなりません。
たとえば、免疫力が低下すると腹部に不調が出やすくなります。いつも通り過ごしているのに、最近何だかお腹の調子が悪いなというときは、疲労がたまっている可能性があります。そんなときは、疲れているのだなと自覚して、十分な睡眠を取って休養につとめ、体力と免疫力を回復するよう心がけましょう。そうすれば、顔面神経麻痺になるリスクを減らすことができるかもしれません。
繰り返しますが、顔面神経麻痺の直接の原因は、ストレスではありません。ストレスはあくまで間接的な原因であり、直接的な原因は、鼻・耳・咽の炎症です。ですから、原因をストレスだと決めつけて生活を変えようとするのは得策ではないといえるでしょう。それよりも、顔の炎症や内臓の不調に焦点をあてて、十分ケアすることのほうが治療や予防にとっては大切です。 顔面神経麻痺の症状でお悩みの方、内臓の不調などを感じている方、何となく体調が優れないという方は、当院へお気軽にご相談ください。
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