2020年5月1日
五十肩になる人の共通点それは咳が多い
カテゴリ: 肩こり・五十肩
五十肩になる人は咳が多い
当院で五十肩を訴える人の多くは、喘息、空咳、気管支炎などの呼吸器系の罹患歴があります。
これらの罹患歴がなくても、風邪をひきやすい、咽が乾燥しやすい、よく咳が出る、朝起きたときに咽が痛いといった自覚症状を持つ人がほとんどです。
世間的に五十肩と咳の関係はあまり知られていません。別々の薬、治療法を用いる医師も多いのですが、実は非常に深く関係しています。
ではなぜ、五十肩になる人は咳が出やすいのでしょうか。呼吸器と五十肩にはどのような関係があるのでしょうか。
この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
咽や気管、肺の炎症が五十肩に影響する
五十肩は肩周りの炎症です。腕が上がらず痛みを伴います。
酷くなると日常生活どころか、夜も眠れないこともあります。
一般的には加齢や運動不足が原因とされています。40代の場合は「四十肩」と言われます。
どうしても肩ばかりにアプローチしていまいますが、肩の関節を動かしているのは胸や背中の筋肉です。そして咽や気管、肺などに炎症があると、胸や背中の筋肉が緊張して硬くなってしまいます。
咽や気管、肺の炎症によって咳が出やすくなります。このように五十肩と咳は深く関係しています。呼吸器の弱さが筋肉の緊張を招き、五十肩を引き起こすのです。
実際に五十肩の患者さんを診ると、胸や背中の筋肉が硬くなっています。ただ「五十肩だから」といって肩の関節だけを診ていても、結局対処療法となってしまうのです。
ちなみに、風邪で肩の筋肉が凝るのもこれと同じ原理です。そして風邪に効く「葛根湯」という漢方は、肩こりにも効能があります。
秋から冬は五十肩が増える
夏から秋にかけて、そして冬は五十肩の患者さんが増えます。これも咽や気管と関係しています。乾燥することで咽に炎症が起きやすくなるからです。
風邪やインフルエンザが流行るのも秋から冬が多いですよね。喘息や咽の弱い人にとって、この時期は大敵です。
風邪をきっかけに五十肩になる人もいますし、喘息がひどくなったせいで五十肩がひどくなることもあります。
酷い喘息で眠れない上に、五十肩で更に眠れなくなってしまっては最悪です。咽が弱い人は、普段から寝るときにもマスクをすることをお勧めします。
「寝るときまでマスクなんて」と抵抗があると思いますが、寝ているときに口呼吸やいびきによって咽が乾燥する人はかなり多いです。途中から外れてしまっても構わないので、マスクをして寝てみましょう。
加湿器で部屋の湿度を上げるのもお勧めです。
どうしてもマスクに抵抗があるのであれば、最近は「口(くち)テープ」という口呼吸防止テープ(いびき防止テープ)も販売されていますよ。
五十肩の治療は咽と肩へアプローチ!
五十肩を治療するには、まず肩の筋肉の緩和はもちろんのこと、原因となっている咽や気管、肺の炎症を取り除くことが最適です。ここの弱さを取り除かないことには五十肩が慢性化してしまいます。そしてまた何年か経って五十肩の症状を引き起こしてしまいます。
普段から乾燥を防ぐ、咽や気管、肺の周りをさする、マスクをするなどで対策をしていきましょう。
また、口呼吸の原因となる鼻へのアプローチも大切です。鼻がしっかりフィルター機能を果たすことで、咽や肺への負担が少なくなります。鼻の炎症には鼻うがいがお勧めです。鼻うがい用の液やキットもドラッグストアで販売されています。
最近、喘息や気管支炎、大人の喘息が増えています。息苦しさもあり、非常に苦しいものです。将来五十肩にならないように、子供のうちから緩和してあげられるといいですよね。
そして大人の喘息によって五十肩にならないよう、咽の炎症を取り除いていきましょう。
五十肩の症例解説はこちらです。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。