2020年5月13日
その味覚障害は亜鉛の不足ですか?
カテゴリ: 味覚・嗅覚障害
味覚障害には亜鉛が効くって本当!?
味覚障害で病院を受診すると、亜鉛を処方されるのが一般的です。
亜鉛がたくさん含まれている、牡蠣やうなぎ、ナッツを勧められることもあります。
病院を受診せずに自己判断で亜鉛のサプリメントを飲む人もいます。
でも本当に味覚障害には亜鉛が効くのでしょうか。
この記事では、味覚障害の原因と亜鉛の効果について説明していきたいと思います。
亜鉛で解決するのは神経の修復
まずは味覚の仕組みについて知っておきましょう。
舌には「味蕾(みらい)」という神経のセンサーがあります。これが味覚を感じています。
味蕾は特定の成分に反応し、脳に信号を送ります。これが味覚を作っています。
味の成分を味蕾がセンサーを感じて信号を送るときに、亜鉛が必要となります。
神経は炎症によって損傷されることがあります。
亜鉛で解決するのは、あくまでもその神経の修復です。
もし神経の問題であれば、亜鉛を摂取して2ヶ月から8ヶ月くらいで自然回復していくことでしょう。
味覚障害の第一選択として亜鉛を選ぶのは間違いではありませんが、もしその神経に問題がない場合は効果を感じません。
他に考えられる味覚障害の原因
もし亜鉛を補充しても味覚障害が改善しない場合、他に何が原因だと考えられるでしょうか。
例えばメンタル的な要因、咽や鼻の炎症、顎の緊張、自律神経の不調などが考えられます。
味覚障害で病院を受診すると、場合によっては抗うつ剤や安定剤を処方されることもあります。
メンタル的な要因で味覚障害が起きていると考えることも多くなってきました。
味覚障害というと舌に意識が向けられますが、風邪やインフルエンザによる咽や鼻の炎症がきっかけとなって味覚障害になることも多々あります。
鼻が詰まると味が分かりにくくなるように、味覚と嗅覚も深く関係しています。
顎については、歯ぎしりや虫歯、口呼吸が原因で顎の筋肉が緊張し、唾液の成分に悪影響を及ぼします。それが味覚障害を招いてしまうのです。
自律神経の不調は、味覚を認識している視床下部にパニックを起こしているケースです。
この場合は味覚障害以外でも身体のどこかに炎症や不調が起きています。
どれも味覚障害だけについて説明していますが、実は顔面神経麻痺や嗅覚障害、視覚障害も原理が同じ場合が多いです。
近年味覚障害で悩む人が多く、亜鉛を補充してもなかなか治らずに困っている人もたくさんいます。
ひとえに「味覚障害=亜鉛不足」というそんな簡単な問題ではないことを、もっと理解してもらえればいいなと思います。
感覚系は固定化されると変化が小さくなる
味覚は非常に大切な感覚で、味覚が感じられないと日常生活がまともに送れないといっても過言ではありません。
味が分からないせいで塩分の濃いものや、甘さを必要以上に足してしまい、生活習慣病を招いてしまう可能性もあります。
反対に食事が楽しくなくなり、体重が減ってしまう人もいます。
しかも味覚などの感覚系は、悪いまま固定化されると、改善の変化が小さくなってしまいます。
そのため1日も早い治療と、セルフケアが肝心です。
亜鉛が悪い訳ではない
亜鉛は決して悪いものではありません。
それどころか人間にとって欠かせないミネラルであり、新陳代謝に関わっています。例えばエネルギーの作成、免疫力の向上、子供の成長などにも必要な働きをします。
亜鉛不足は味覚だけでなく、貧血、爪や皮膚の異常、脱毛、免疫力低下、生殖機能などに影響します。
ただし亜鉛の過剰摂取も吐き気や下痢など身体に悪影響を及ぼすので、決められた量を守りましょう。
亜鉛摂取と同時に、原因となっている炎症を抑えること。そして炎症後の筋緊張などの治療を並行していくことが大切です。
味覚障害・嗅覚障害の症状別解説はこちら
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