2020年5月19日
特発性味覚障害は心因性を疑われる
カテゴリ: 味覚・嗅覚障害
心因性の味覚障害が疑われるケース
味覚障害を発症した人の中で、目立った炎症もない、亜鉛も効かない、胃腸や脳の異常もないといったような状態になる人は、全体の約30%にものぼると言われています。
それほど味覚障害は簡単に「亜鉛不足」と決めつけるような症状ではないのです。自然に治る場合もありますが、長引く場合は心因性を疑われ「うつ病」や「神経症」「心因性味覚障害」と診断されることがあります。
特に口の渇きを感じるドライマウスの症状が強い場合、ストレスが原因と考えられることが多いです。
心因性が疑われると、亜鉛と同時に抗うつ剤や安定剤、抗不安剤を処方される場合があります。
本当に心因性なのかを見極めることが大切
その味覚障害が本当に心因性なのかを、自分でしっかり見極めることが大切です。口の渇きを感じるドライマウスは、必ずしもメンタル的な要因が直結しているとは限りません。
顎の緊張によって唾液がねばつき、口が渇くことで味覚障害を引き起こしている人もたくさんいます。
顎の緊張はストレスでも起きますが、虫歯や歯周病、睡眠中の口呼吸でも緊張します。顎の痛みやこわばりを感じている人は、顎の緊張を疑ってみてください。
心療内科の薬は長期服用が基本なので、元気な脳の働きを抑えてしまう可能性もあります。薬が合わずに種類や量がコロコロ変わり、副作用に苦しむ人もいます。
うつ病の薬の副作用でさらなる味覚障害が起こることもあります。
もししっかり睡眠が摂れているならば、本当に心因性から来ている味覚障害なのかを見極めてください。
検査では分からない小さな炎症の可能性も
胃腸の検査など病院の検査が完璧に見れているとは限りません。胃カメラを飲んでも、ただれや大きな炎症が起きていないと、症状があるのに「健康な胃」とみなされることがあります。
胃カメラで問題のなかった患者さんでも、当院の触診で胃の炎症があると感じることは多いです。また、咽や鼻の炎症でも味覚障害を起こすことがあります。
病院では診断されないような小さな鼻の炎症や咽の炎症がある人もたくさんいます。鼻や咽は舌の感覚神経と近いところにあるので、味覚障害の原因となります。
風邪やインフルエンザがきっかけで味覚障害になる人が多いのは、この理由からです。鼻や咽の炎症を取り除くことで味覚が正常になることがほとんどです。
先ほど説明したように顎の緊張でも口の渇きや味覚障害は起きますし、自律神経系の不調によっても起きます。
自律神経の不調によって味覚を認識する視床下部にパニックが起きているケースです。ストレスでも自律神経は乱れますが、自律神経につながる内臓の不調が引き起こしている可能性が考えられます。
このように、一概に「メンタル的なもの」「ストレスが原因」と決めつけてしまうと、根本的な原因を取り除くことが出来なくなってしまいます。
味覚障害は早期治療が大切
心因性の味覚障害について説明しました。
特別な原因が見当たらないことで心因性味覚障害が疑われてしまいますが、当院を受診する味覚障害の患者さんの多くは、身体の小さな炎症から来ています。
原因が分からずに抗うつ剤を飲んで治療したり、そもそも味覚障害が起きている状態ということ自体非常にストレスを感じると思います。
食事を美味しく摂る、そして味を感じられるというのは人間が生きる上でとても大切な役割を果たします。
美味しい不味いを見分けるだけでなく、腐っている食べ物を見分ける役割もあるからです。
味覚などの神経の回復は最初が肝心です。放置するとさらに治りが遅くなってしまいます。 出来るだけ早く原因を見つけ、それに見合った最適な治療を行っていくことが大切です。
味覚障害・嗅覚障害の症状別解説はこちら
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