2020年4月12日
リウマチの薬が効かなくなってきたら
カテゴリ: 関節リウマチ・膠原病
免疫抑制剤は体の負担が大きい
リウマチの治療には、症状などに応じて薬物療法、リハビリ療法、場合によっては外科手術などが行われます。薬物治療の場合には、リウマチ専門薬が使われます。リウマチの治療は昔は外科手術も多く行われていましたが、現在では良い薬が開発されて、薬物療法が多く取り入れられています。
現在のリウマチの治療は、炎症や痛みを抑えつつ、病気が進行しないようにして、リウマチで最も怖い関節の破壊を防ぐことへと変わってきています。抗リウマチ薬は、リウマチの治療では最初に検討される代表的な薬です。痛みが強い場合には、抗炎症薬が投与されることもあります。
抗リウマチ薬の目的は、関節の炎症を食い止めること。いろいろな種類の薬がありますが、目的は、炎症を抑えて「寛解」と呼ばれる症状が落ち着いた状態にすることを目的としています。
ただし、リウマチは免疫異常の一種であり、抗リウマチ薬は全身にある免疫を抑制するものなので、身体への負担が大きいのが問題として挙げられています。これまでに、免疫力低下による感染症や発疹などが副作用として報告されています。
最近ではバイオ製剤も使われる
薬としては、抗リウマチ薬のほか、生物学的製剤(バイオ製剤)という新しい薬も登場してきています。薬物療法にもいろいろな種類の薬があり、一つの薬の効果が少なくなってくると、薬を変えることは珍しいことではありません。
最近ではバイオ製剤の処方が増えてきているようです。バイオ製剤とは、バイオテクノロジーを利用して開発された薬のことで、国内では2003年から使用され始めています。最先端の薬であるため、抗リウマチ薬よりも高価ですが、関節破壊を予防する力が高いといわれています。
生体の親和性が高いので効果が高いとされていますが、副作用のリスクも高いので注意が必要です。抗リウマチ薬と同じく免疫の働きを抑える薬であるため、免疫低下による感染症(かぜ、肺炎など)の恐れがあるといわれています。また、すべての人に投与できるとは限らず、医師による検査を経なくてはなりません。
どんな薬であれ分解をするのは体
このように、関節リウマチの治療にはさまざまな薬が使用されますが、薬である以上、体に負担をかけるものであることは同じです。薬が直接的に効くわけではなく、肝臓が分解することで血液に浸透し、その結果としてリウマチの症状が軽減されるという仕組みです。つまり、薬の効果や副作用は肝臓の健康度が大切であるということになります。
もし、肝臓が元気でなければ、薬を飲んでも効果を最大限に得られないばかりか、逆に大きな副作用をもたらすことにもなりかねません。リウマチの治療薬には強いものもあるので、くれぐれも肝臓の健康には気を配っておくようにしましょう。「肝臓が疲れているな」と思う人は、安易に強い薬、副作用のある薬に頼らずに、まずは自分の身体を見直すことも大切です。
また、リウマチ治療薬は免疫を抑制する薬ですから、感染症にかからないよう、体を疲れさせないことも大切です。睡眠を十分に取る、人混みはなるべく避ける、規則正しい生活を送るなどして、体を労わるようにしましょう。
薬の本質は身体である
関節リウマチの治療は、現在は薬物治療が一般的です。薬にはいろいろな種類がありますので、医師の診断を仰いで適切な薬を使用することが大切です。薬を服用する際は、リウマチだけでなく自分の体全体の健康に気を配ることもお忘れなく。体がしっかり整っていないと、せっかく良い薬を使っても効果が出にくいばかりか、副作用が出やすくなってしまうこともあるので注意してください。 関節リウマチの治療を行っている人は、ぜひ当院へ。これまでにたくさんの人にご来院いただいています。どんなお悩みでもまずはご相談ください。私たちがお手伝いできることがきっとあると思います。
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