2023年11月20日
異痛症の症状・原因について
カテゴリ: 痛み
異痛症とは
異痛症は、痛みの感覚が通常の状態よりも強くなり、通常では痛みを感じるほどではないほどや、まったく刺激がないにもかかわらず痛みを感じる状態です。異痛症は神経系の異常がおきていると言われており、通常の痛覚が過剰に活動することによって発生します。
異痛症は痛みが局所的でなく、身体の広い範囲にわたることがあります。線維筋痛症や慢性疲労症候群、神経障害など様々な疾患や病態から症状が発生します。外傷や手術の後に発生することもあります。精神的なストレスや心因性の要因も影響すると言われています。
異痛症の治療は、その原因や基礎となる疾患によって異なります。一般的には、薬物療法(痛みを和らげる薬や抗うつ薬)、物理療法、心理的アプローチ(認知行動療法など)が組み合わせて行われることがあります。治療の目標は、痛みの緩和だけでなく、患者が日常生活をより快適に過ごすための方法を見つけることも含まれます。
異痛症の原因
異痛症はストレスによって脳がパニックをおこし、痛みを抑制するする働きが低下することで起きると言われています。
私達は感じないまでも、小さい痛みをうまくコントロールしています。痛みそのものは闘争や逃避のきっかけになる大事なサインですが、それが関係なときにも意識化にあると大変です。
通常の生活レベルでは簡単に痛みを感じないように、脳は常に抑制をするようにしています。
ところが異痛症の場合はわずかな刺激でも痛みを感じてしまうので、その抑制するシステムが働いてくれていないと考えられます。
どんなストレスが異痛症(アロディニア)の原因になりやすいの?
・ 性格ストレス:真面目、几帳面、完璧主義、などの性格と異痛症との間には強い相関が見られます。この過敏な性格の人に心労・人間関係などの社会的なストレスがかかるとドパミンの分泌は減少しアロディニア(異痛症)を発症しやすくなると考えられています。他にも怒りっぽい人も通常の人に比べて痛みを強く感じやすくなるという研究もあります。
・ 睡眠ストレス:慢性的な睡眠ストレスは脳の大敵です。
睡眠が不足するとドパミン神経回路を疲弊させアロディニア(異痛症)を発症しやすくすると考えられています。
・ 運動不足ストレス:不活動性疼痛または不動性疼痛などと言い筋肉の使わないことで異痛症になる場合があります。筋力低下によるフレイルも痛みを起こします。
・ 環境ストレス:ストレスを感じる環境が原因となる場合もあります。光・音・臭いに過敏になることでストレス反応を起こします。これらのストレスがきっかけとなってアロディニア(異痛症)を発症する可能性があります。
異痛症(アロディニア)の治療
痛みの発生要因がはっきりとしている場合はその治療が標準治療となります。
神経的な問題が見られない場合は以下の手法を取る場合があります。
・運動療法:運動による達成感はドーパミンによるものです。ドーパミンによる脳の活性化によって痛みを感じにくくします。
・認知行動療法:完璧主義やマイナス思考などの考え方を少し柔らかくすることで感情によるストレスを緩和します。
・薬物療法:抗うつ薬を用いて、セロトニンやノルアドレナリンを増やし疼痛抑制効果を狙います。
鍼灸での異痛症(アロディニア)の治療
痛みに対して敏感になっているのに鍼灸を受けて大丈夫なの?という疑問があるかと思いますが。経験的に問題になったことは一度もありません。
なぜなら、鍼治療そのものが脳の鎮痛系を賦活させるからです。皮膚への小さな刺激が繰り返されると、鎮痛系が働くようになります。
また痛みの本質は皮膚や筋肉の緊張です。異痛症は筋肉のこりによって起きているとは言い切れませんが、皮膚や筋肉の痙攣は目視ではわからず、検査をもってしても判断することはできません。
特に内臓疲労から発生する筋肉の緊張の場合は自覚症状としてもわかりにくいので、発見が難しいとされています。
頭部アロディニアの場合は頭痛の前駆症状として、皮膚が過敏になる場合があります。これは自律神経の興奮がおきていることが予想され、皮膚の緊張が急激に高まることで過敏になっていると予想されます。
顔面部の自律神経は鼻や咽、目などの影響を強く受けます。
異痛症で悩む方にアレルギーや花粉症を持っている方が多い傾向にあります。
簡単に治る病気・症状ではありませんが、体の見方を変えれば思わぬところに原因があります。あきらめないでください。
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