2020年5月7日
線維筋痛症の痛みで動けないことが痛みを生む
カテゴリ: 線維筋痛症
線維筋痛症の痛みが痛みを生む
痛みというのは、身体が出しているサインです。そのサインのおかげで生理的に自分自身の身体を守っています。
例えば擦り傷や筋肉痛の痛みは、自分の意思に関係なく止血・炎症などの反応を起こし、日が経つにつれて回復します。
そして、痛みというのは皮膚の歪みがきっかけとなって起こります。
線維筋痛症は慢性的にあらゆる痛みが続いているので、患部の自律神経が興奮状態になります。そして周りの血管が収縮し、栄養不足・酸欠状態になり皮膚や筋肉が硬くなります。硬くなった皮膚や筋肉は、少しの歪みで痛みを引き起こしてしまいます。
この痛みをかばうために、他の痛みが引き起こされます。このように「痛みが痛みを呼んでしまう」のです。
痛みだけでなく、不眠、倦怠感、下痢、こわばり、めまいなどといった症状さえも、自律神経が興奮し、次の痛みへと繋がります。
これが線維筋痛症の痛みが複雑化していて、多くの箇所に痛みが出る原因であると考えられます。
小さな痛みを強く捉えてしまう
線維筋痛症の特徴として、小さな痛みも強く捉えてしまい、更なる強い痛みを引き起こしてしまうことがあります。
特に重症化している場合、爪や髪の毛への刺激、少しの温度や湿度の変化、小さな音、光などでも痛みに繋がります。
また、痛くて動かないことは小さな皮膚の歪みを生んでしまいます。
人間の脳は、使っていないところを「不要な物」とみなし、機能を果たさなくなります。動かさないことで血流も滞ります。
皮膚や筋肉の小さな歪みによって、また痛みが増えてしまいます。
調子がいいときは身体を動かしましょう
痛くて動けない気持ちはよく分かります。痛いときは安静にしておいた方が良いと考える人もいます。でも痛みが少ない調子のいいときは、ぜひ身体を動かしてみましょう。
多くの研究データでも「線維筋痛症には運動が有効であること」が分かっています。
痛みが悪化しない程度で行いましょう。しかし、運動によって引き起こされた痛みは30分以内に治まるというデータもあります。
特にウォーキング、水泳、ストレッチ、ヨガがおすすめです。水泳はハードルが高いかもしれませんが、水中では体重の負荷が軽減できるので痛みが出づらいと言われています。水中ウォーキングだけでも構いません。
お風呂で軽く動かすのも良いでしょう。短時間で出来るのでおすすめなのは、ラジオ体操です。
簡単そうに見えますが、全身の筋肉をあらゆる方法でストレッチさせることが出来ます。youtubeでも観れますよ。
どうしても動くことが難しければ、腹式呼吸がおすすめです。呼吸は身体に新鮮な空気を送り込み、不要な空気を排出させられる大切な動きです。たかが呼吸と考えず、寝転がってゆっくりと腹式呼吸を行いましょう。
息を吐くときは、吸うときの2倍ほど時間をかけます。お腹に新鮮な空気が入ってくることをイメージすると良いでしょう。ちゃんと行えば腹式呼吸でも汗をかくほどになります。
でも身体の力は抜いてリラックスしてくださいね。
痛みを忘れる時間が大切
痛みが痛みを生む、ことについて説明しました。線維筋痛症の痛みはかなり強いので、一日中痛みについて考えてしまうと思います。しかし「痛みを忘れる」ことも大切です。
痛みという記憶だけでも痛みを引き起こしてしまうからです。
運動をする、アロマを焚く、腹式呼吸をする、好きな飲み物を飲むなど、少しでもいいので痛みが改善できる方法を見つけ、その時間だけでも痛みを忘れられるといいですね。
どんな運動をしたら楽になったのか、何をすると痛みを忘れられるのかと記録していくことも客観的判断として見れますし、データがあると冷静になれるのでおすすめです。
線維筋痛症の症例解説はこちらです。
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